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■ 塗装工程と材料
 外壁や屋根の塗装工事を行なうにあたって、下地調整は大変重要な分野です。また下地調整の多くは手作業によるものや、機械を使って行なうものから様々であり、その用途によって使い分けられます。
高圧洗浄の目的
 以前住宅の屋根、壁の水洗いには水道水とブラシによる方法が取られていましたが、現在は高圧洗浄機による作業が常識になりました。高圧洗浄によるメリットは次のような点にあります。

1) 手作業だけでは補えない箇所の下地調整が可能である。
2) 網戸や細かい部位に対して有効であり、施主様から喜ばれる。
3) 圧力調整が可能で下地を損傷することなく、劣化した塗膜も剥離が可能となる。
4) 作業時間の短縮につながる。

 高圧洗浄機により、外壁・屋根などの場所に付着した、汚れ・ホコリ・藻・コケ・カビ等のを洗い流します。この作業をしないと、塗り替えても汚れの上に膜をはってるだけで何の意味もありません。

 高圧洗浄は塗替えの工程で大切な要素の一つです。もしこの工程が不十分なまま塗装を行えば、塗料の密着不良不良によりやがて塗膜剥れなどを引き起こす要因ともなります。また高圧洗浄では隣家や駐車場の車に洗浄水が飛散しないように足場ネットを設営したり、カーシートでカバーするなどの防止対策を行います。

高圧洗浄
下地処理の重要性
 塗装でさらに大切なこと事は「下地処理」と呼ばれる工程です。この作業の目的は建物の素地を平滑にする事により、モルタル、鉄部、木部などの現状を塗装にふさわしい状態に調整する事で、塗料の機能性を長持ちさせる事に有ります。

 塗装工事はよくお化粧にたとえられます。荒れた地肌にどんな高級な化粧を厚く塗っても化粧のノリは悪く長持ちしません。つまり下地処理が適切でないと密着が悪くなったり、仕上がりが悪いと言う事に直結します。外壁塗装の耐久性、美観の本当の良し悪しを決めるのが「下地処理」で、適切な処理を行なう事により、きれいで長持ちする塗装が可能となります。

 下地処理の良し悪しで建物の寿命が伸びるので、それぞれの建物に合った適切な処理が大切です。塗装工事はこうした「目には見えない部分」に気を使う事が大切で、一つ一つ手作業進められる塗装工事では現場職人の技量、丁寧さ、そしてモラルが特に問われる工事なのです。

皮スキなどの手工具によるケレン
 高圧水でも落ちない頑固な汚れや、場所的に水の使用が出来ない場合に取られる方法で、皮スキ・ワイヤーブラシ・マジックロン(セラミックで出来た網状の道具)などにより汚れ、はがれた塗膜などを削り落とします。
皮スキによる塗膜はがし
マジックロンによる汚れの除去
シーリングの打ち替え
 外壁材の劣化したコーキングは撤去、打ち替えを行います。紫外線による硬化、ひび割れまたは挙動などによって劣化してしい雨水の進入の原因となる為、、伸縮性の有るシーリング材によってクラックを埋めます。

【工程】
1) 既存コーキングの撤去
2) プライマー塗布
3) シーリング材充填
4) ヘラ押さえの後完了

 シーリングの後塗装しますので、ノンブリードタイプ(油分によると塗膜汚染が生じない)のウレタンまたは変性シリコンなどのシーリング材を使用します。
コーキング材は塗装が乗り耐候性に優れた変性シリコンが多く使われます。
1) 既存コーキング撤去
2) プライマー塗布
3) シーリング材充填
4) ヘラ押さえの後完了
錆ケレン
 トタン屋根シャターなど、鉄部塗装で最も大事な工程は錆止め処理の前に行われる汚れ、錆落としです。錆、汚れ、油分などが充分に除去されなければ、どんな高価な錆止め、塗料を使っても充分な防錆機能を保つ事は出来ません。

【一般的な錆ケレン】
 
ディスクサンダーという研磨用具を用いて全体を研磨します。他にペーパー(紙やすり)などの用具を併用して素地(トタン屋根自体)の下地調整を行います。

ディスクサンダー

3種ケレン状況
サンドペパーがけ

4種ケレン状況
 基本的に下塗りは上塗りを長持ちさせ、きれいに仕上げる為に重要なものです。下塗り材とは、下地材と上塗り材の密着力・定着性を良くし、仕上の基礎となるものです。上塗り材は耐候性、低汚染性、防カビ、防藻性等の機能がありますが、密着力に欠けていますので、単に上塗り材だけでは塗膜を被せたという事でしか有りません。最近ではクラック追従性の有る微弾性フィラーが開発され主流になっています。

 最近の外壁用塗料の中には「下塗り不要」とうたった材料も有りますが、密着の良さや仕上がりなどを考えると下塗り材を入れたほうが良好です。

主な下塗り材
外壁 シーラー 下地と上塗りを密着させる
屋根 含侵型シーラー 下地に浸透して固める
フィーラー 巣穴や、ごく小さなひび割れを固める
外壁 微弾性フィーラー 微量だが伸縮し、ひび割れの動きに対応
鉄部 錆止め 錆を止める
微弾性フィーラーの塗布
シーラー
シーラーを塗る大きな目的は上塗り材が下地に浸透するのを防ぎ、上塗り材との密着力を高めて塗膜を安定させる事に有ります。ただし、水性の薄い下地材のため、微細なクラックに追従する働きは有りません。また、下地に浸透して固める含浸型のシーラーも有ります。
フィーラー
水に溶いた小麦粉のようで少し厚く塗る事が出来、多少の凹凸を埋めたり、巣穴や小さなひび割れを埋める事が出来ます。
微弾性フィーラー
 最近主流になっている下塗り材です。弾性の為シーラーより膜が厚く、小さなひび割れや凹凸を埋める機能が有ります。ただし、下地との密着力や下地を固める働きはシーラーより弱く、既存塗膜の塗替えなどに使います。乾燥後も弾力性が残っている為クラックに追従する事が出来ます。
錆止め
 錆止めにはあまり注目される事のない材料ですが、機能、耐久性によりおよそ下記のような種類の錆止め材が一般的に使用されています。当社では防錆効果・耐久性が高いエポキシ錆止めを使用していますが、市場では一般的に安いJIS-K-5621又はJIS-K5625が使われているようです。
エポキシ錆止め 強力に錆を押える力があり、1液型と2液型が有るが2液型の方が防錆効果・耐久性がより高い。
高い
JIS-K5625 塗膜が水分の浸透を防ぐ効果が高く、かつ長期的にわたってその変化の程度が小さい。
価格
JIS-K5621 一般的な錆止め塗料で、室内外で錆止め効果を発揮。
安い
 戸建住宅・アパートなどの塗替え工事の場合一般的に、中塗は上塗りと同じ塗料を使います。上塗り剤を二度塗りする事によって塗膜圧を最大限に確保し、より耐久性を持たせた仕上がりになります。これも下塗りと同様ローラー塗りを基本とします。もちろん軒裏・天井も同様です。

 塗りムラなどをなくし、均一で十分な塗膜の厚さを確保する為にはどうしても上塗りを2回する事が必要です。塗料は水性と溶剤型に分類され、その中でも配合されている樹脂(塗膜を作る成分)の種類によってさらに次のように分ける事が出来ます。

種類
耐久性・耐候性
価格
アクリル樹脂塗料
★★
ウレタン樹脂塗料
★★★
★★
アクリルシリコン樹脂塗料
★★★★
★★★
フッソ素樹脂塗料
★★★★★
★★★★
アクリル系樹脂塗料
耐候性・耐久性は標準的なレベルで、経済性にも優れバランスのとれた塗料として使用範囲が広い。しかし耐用年数は比較的短く、4〜7年で塗替えの時期となります。
ウレタン樹脂塗料
耐久性があって艶も有り、建物の美観を維持します。
アクリルシリコン樹脂塗料
耐久性・耐候性に特にすぐれ、付着した汚れが落ちやすいという特性が有ります。価格的にはウレタンと比べて僅かに高いですが、弊社では屋根・外壁には特にお勧めしている塗料です。
フッソ樹脂塗料
特に耐候性は優れており長期間にわたって耐久性を維持します。橋梁の塗替え・高層建築物等の塗替えに良く使われますが価格が高く、今の所一般住宅などには一般的に使用されていません。
水性反応型と溶剤型について
 もともと外壁に使用されている塗料は低汚染性、耐候性の性能は圧倒的に溶剤型が優れていました。しかし近年の環境問題(作業時における匂いの問題、余った塗料の廃棄の問題等)の意識の高まりにより、水性の優れた塗料が開発されています。

 現在では戸建住宅は勿論、マンション、アパートなどの集合住宅の外壁の殆どは水性の塗料が使用され、今では水性と言っても溶剤型に引けを取らない機能を持っているといっても過言ではないでしょう。
遮熱塗料 セラミック塗料 バイオ抗菌塗料について
 最近は塗料の開発が進み、耐候性、低汚染性、防カビ。防藻などの一般的な機能の向上に付け加え、多くの塗料に付加価値を加えた製品が登場しています。
遮熱塗料
セラミック系粒子を規則正しく配列し、硬質の表層を形成する事により太陽光を反射させ、熱を放射させる塗料です。
セラミック塗料
セラミックは塗料にセラミック成分を複合化することにより、塗膜の静電気を押え、低汚染性を高めたものです。
バイオ抗菌塗料 バイオ抗菌塗料は、上塗り材の中に特種薬剤を配合する事により防カビ、防藻性を強めたものです。

 近年、シックハウス症候群が社会的に関心を集めています。これは、建材などから発する揮発性有機化合物などの化学物質が人体に影響し、発疹や目眩、吐き気などの体調不良など、化学物質過敏症などの症状を引き起こすものです。新築の家ほど過敏症になる例が多く、リフォームした幼稚園、保育園、学校、各種ホーム等で問題視されています。

 これらは、室内の空気質に関係する問題として、室内に使われる塗料についても、揮発性有機化合物(VOC)をなくした塗料「ゼロVOC塗料」が求められています。室内で使う塗料などはF☆☆☆☆(フォースター)を最高に基準が出来ました。

 外部については空気がこもる事がないので今の所基準は設けられていませんが、臭いなどの体で感じられる問題も存在する事から、その扱いは慎重に行なう必要が有ります。

VOCとは?

 VOCは、Volatile Organic Compounds(揮発性有機化合物)の略語で、数百種類の揮発性を有する有機化合物の略称です。このVOCは、近年問題になっているアレルギー症やシックハウス症候群、そして、光化学スモッグの発生原因の一つと言われています。

 以前は自動車の排気ガスや工場の煙などが光化学スモッグの原因といわれてましたが、1978年に法律で規制がかかり現在は有害な排気ガスの排出はかなり抑えられています。

 近年VOCに関する研究が進むにつれ、VOCが大気汚染に関係していることがわかってきました。そのVOC発生源である、合板・壁紙などの建材や施工時の接着剤、衣類の防虫剤であるパラジクロロベンゼン、そして塗料やシンナ−に含まれている各種の有機溶剤(トルエン、キシレンなど)について規制をかけるべく、2004年5月に大気汚染防止法が一部改正されました。

フォースター F☆☆☆☆について
 一般的に「フォースター」と言われる製品は、塗料や内装材、建材で、「ホルムアルデビドの放散量の性能区分を示す為に新たに表示する義務が定められています。F☆☆☆☆(Fフォースター)はJIS工場で生産されるJIS製品に表示することが義務づけられている、ホルムアルデヒド等級の最上位規格を示すマークです。

 F☆☆☆☆と表示されている建材や内装材,塗料だけが、建築基準法によって使用量が制限されません。F☆☆☆やF☆☆になると条件付きの使用や使用量の制限があり、F☆のものは内装材としての使用は禁止されています。

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